昨秋、本拠地の大阪・ DAIHATSU心斎橋角座で初ライブを開催し超満員の人気だった松竹芸能期待の4年目の若手女性芸人、くわがた心(23)が3月29日夜に2回目の単独ライブを同所で開く。

くわがたは昨年5月の「第54回NHK上方漫才コンテスト」決勝に松竹芸能から久々に進出し注目されたものまねと音声模写を中心に創作ダンスを組み合わせたコントを得意とするピン芸人。今年正月の「新人お笑い尼崎大賞」で優勝し勢いがあるが、目指すピン芸日本一「R−1」や女性芸人日本一「W−1」の今年度予選で敗退しまだ決勝進出が果たせていないだけに「まだまだです」と謙虚。本業以外に中高時代は陸上部中長距離の選手歴を生かし、テレビ番組内でフルマラソン企画に挑戦したのをはじめ、情報番組や釣り番組のレポーター、アシスタントなどに日々体を張って屋外を駆け回っている。

幼い頃からK-POP大好きで歌って踊れるアイドルにあこがれたが、良い意味でも悪い意味でも普通っぽくいま一つ目立つイメージに希薄。特徴的なのはスポーツウーマンらしい肌の美しさですっぴんでもピチピチ輝やく。高校3年までダンスなどのオーディションを数多く受けたが願いは果たせず、卒業後思い切って笑芸に転向して素質が花開いた。
今回のテーマは『オイカケル女』で、「私より活躍している賞レースのライバルや松竹芸能の先輩を常に追い掛けています。陸上競技でもいつも前の走者を追い掛けていました」と真顔に。言い替えると「もっと自分の芸を磨きたい」という意味だ。

トレードマークはもちろんクワガタで模型をブルーにペインティングした様々なタイプを次々と繰り出してくる。ポスターで着用のトレーナーは米ボストンマラソン記念のビンテージな代物でランナーらしい選択。「予定の1時間半フルに使っていろいろ試すつもり」と言い、日々ネタ作りに余念がないコントや得意の物まね、そしてキレッキレのダンスなどを準備中。実はシークレットゲストが登場予定。「当日まで秘密ですが、頑張ってカラむつもり」と楽しみな様子。
ライブ限定のオリジナルグッズも手作りして制作中。「昨秋の初回ライブの時に〝ぜひ次もやりたい!〟って皆にお願いしていました。2回目といわずこれからも定期的にやりたい。毎回、満員にあるように鋭意努力します。これ最近覚えた言葉です」と楽しそう。

目標は一貫して独りコントやモノマネの大先輩・友近。「コントでの人間観察力もすごいし、別キャラの演歌歌手・水谷千重子は本格的に歌がうまい。全てにあこがれています」と話す。同世代の吉本芸人とは友達付き合いで一緒に活動したりユーチューブする事も多く、競争が激しい上方笑芸では異色の存在。松竹芸能で付けたキャッチフレーズは〝シン・かわいい女性ピン芸人〟。フツー女子は「くわここ」のニックネームでゆっくり時間を掛け熟成されている。
(畑山博史)