7月25日、大阪府の吉村知事や北陸3県の知事をはじめとする北陸新幹線沿線自治体の関係者が、国土交通省や総務省、自民党などに「小浜・京都ルート」での大阪への早期延伸を求める申し入れを行った。
大阪延伸 建設費2倍
別案「米原ルート」に注目集まる
北陸新幹線は今年3月に石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅まで延伸された。しかし、その先については正式なルートが決まっておらず、着工の目途すら立っていない状況だ。
2016年に政府は「小浜・京都ルート」での延伸を決定したが、その後の建築資材などの高騰により、建設費が当初の計画の約2兆1000億円から2倍程度に膨れ上がる見通しとなった。そのため、もう一つのルート案で、より工期が短く、建設費が少なくて済む「米原ルート」に対する注目度が高まっている。
これまで、大阪から北陸方面へは在来線特急のサンダーバードが頻発していたが、北陸新幹線の敦賀延伸により、全員が敦賀駅で乗り換える必要が生じたため、利用者からは「逆に不便になった」との声も出ていた。
また、7月22日には保守用車両の脱線事故により東海道新幹線が不通となったことなどから「東京と大阪を結ぶ大動脈が東海道新幹線1本では、災害などの不測の事態に十分に対応できないのではないか」といった不安の声も高まっていた。