前回、「投資を始めたいが、何からやればいいかわからない人へ」として、ETFと投資信託(投信)について解説しました。
すると読者から「株は安いとき買って、高いときに売ればいいから、個別株でもいいのでは?」というコメントをいただきました。
まったくその通りです。しかし、どうやってその株が「安い」と判断するのか。本当に今が底値なのか。もしかすると、さらなる下降に向かう途中なのかもしれません。
1日の間で売り買いするデイトレードのような短期取引なら、チャートからトレンドを読むことで、一時的に値幅を取ることはできるかもしれませんが、長い間下降している株を購入するのは、実際には勇気のいることなのです。
株式市場には「落ちるナイフは拾うな」という格言があります。下降中のチャートはいつ反発して上昇し始めるのか。これを予測するさまざまなテクニックを書いた書籍がありますが、あくまで過去のデータや傾向から推測したもので、半年後、1年後の市場は予測不可能です。
一つ参考になる目安として〝長期投資〟を前提としたとき、目先で多少の上下はあるものの〝成長し続けている市場〟言い換えれば、長い期間において〝右肩上がり〟のチャートが好ましいといわれています。
数十年〝右肩上がり〟で成長し続けている市場といえば、米国株が代表格で、世界でもっとも規模も大きい。そこで今回は数多くある米国ETFの種類や特徴について一例を紹介します。ETFと投信の違いは大まかに言えば、買い方が違うだけ。同じような構成銘柄を持つETFと投資信託を左表に書き出したので、ご参考に。
世界全体に投資する
1つで米国や欧州、日本などの先進国株式に加えて、中国やインドなどの新興国株式を含む世界47カ国の株式に投資できる。
ETFなら
●バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(通称 VT)
世界の上場企業、約8000社の銘柄で構成。購入費用は12月15日現在で1株105.34ドル、日本円換算で約1万2000円。
投資信託なら
●楽天・全世界株式インデックス・ファンド
●三菱UFJ国際 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
約8000社の銘柄で構成。100円から購入できる。
米国株市場全体に投資する
アップルやアマゾン、グーグルなど米国市場に上場している企業の株式に投資できる。
ETFなら
●バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(通称 VTI)
米国の上場企業、約3800社の銘柄で構成。購入費用は12月15日現在で1株235.57ドル、日本円換算で約2万6800円。
●バンガード・S&P500ETF(通称 VOO)
米国を代表する上場企業、約500社の銘柄で構成。購入費用は、12月15日現在で1株426.09ドル、日本円換算で4万8600円。
投資信託なら
●楽天・全米株式インデックス・ファンド
●SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
約3800社の銘柄で構成。100円から購入できる。
●三菱UFJ国際 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
約500社の銘柄で構成。100円から購入できる。
※1ドル114円で換算