ヘアカットでウクライナ避難民を支援 堀江のプライベートサロンで

 大阪西区・堀江にたたずむマンションの一室を改装したプライベートサロン「Hair salon MANA kitahorie」は、地域の一般客のほか、ウクライナ避難民を支援するヘアサロンとしても運営している。戦争により自国から日本に逃れてきたウクライナ人に対して、ヘアカットを無償で行っているのだ。

 扉を開けると一面真っ白のラグジュアリーな空間が広がっていて、サロン用のイスが一つだけ置かれており、オーナーのMASATOさんが笑顔で迎えてくれる。

 思い立った時にすぐ行動する性格のMASATOさん。ある日のテレビで、ウクライナとロシアの戦争報道を見て、「これは何かしないと」と思い立ちすぐに支援活動を始めた。フリーランスの美容師であることを生かして各地でヘアカットの支援を行い続け、今年に入り「固定の場所で受け入れしたい」と思い、同サロンを開業した。

 「衣食住と比べると、髪は優先順位が低い。でも誰しも髪を整えたいと思いますよね。避難民の方はそれぞれ大変な思いをされて日本で避難生活を過ごしています。サロンに来ることで少しでも気持ちが晴れやかになってくれたらうれしいです」とMASATOさんは語る。

 MASATOさんは以前に多民族国家であるシンガポールでも美容師経験を積んでおり、日本人だけでなくあらゆる人種の髪に対応できるスキルを身につけている。そういった国際感覚もあって、今の活動につながっている。

 「早く戦争が終わることを願いつつ、今後は訪日外国人向けのサロンとして展開していきたい」と話すMASATOさん。続けて、「日本に住む外国人や観光客などはサロンに行っても、言葉が通じなかったり、外国人の髪を切る経験が乏しいと思うので、そういった方が利用してくれるといいですね」。

 ちなみに同サロンのウリは、本場ニューヨークで学んだ「ドライカット」だ。一本一本切ることでツヤが出るカット方法で、日本ではこの手法を行えるサロンはそんなに多くないそうだ。「もちろん、地域の日本人の方もぜひ利用してくださいね」とMASATOさんは笑顔を見せた。

■Hair salon MANA kitahorie/大阪市西区北堀江1-16-16 BM北堀江602/営業11:00〜18:00/土・日・月曜営業(予約がない場合は休業)、完全予約制/予約はHPで受付 https://haircut-mana.jimdofree.com/