【吉村府知事番記者】第8波に備え発熱外来の強化を


▲新型コロナウイルスの対策本部会議後に記者会見する吉村知事

 大阪府は9月14日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、全ての新型コロナ感染者の氏名や連絡先などの情報を確認する「全数把握」の見直しに向けての対策や、府内の感染状況を示す独自基準「大阪モデル」を「非常事態(赤信号)」から「警戒(黄信号)」に引き下げることなどを決めた。第8波の懸念材料として発熱患者の診療・検査を行う発熱外来が浮上。第7波の爆発的な感染拡大で業務がひっ迫、第8波ではインフルエンザとの同時流行の可能性もある。会議での吉村洋文知事と専門家の朝野和典・大阪健康安全基盤研究所理事長、藤井睦子・府健康医療部長との議論、会議後の記者会見での質疑を紹介する。

朝野氏「発熱外来をやっていない先生方の問題意識は空間的、時間的な分離をしなければならないということ。安全に医療ができる体制を整えるようサポートするチームをつくる必要があるのでは」

吉村知事「インフルとコロナの同時流行になった時、発熱外来がひっ迫する。特定のクリニックだけが対応していると、オーバーフローがあり得る」

藤井部長「(拠点をつくって)いくつかのクリニックの当番制でやっていただけないかという調整をしている。インテックスのような大規模なところならできるのではという意見をいただいている」

吉村知事「インテックスのようなところでつくったとしても、持続可能な仕組みではない」

藤井部長「病院からの指導があればもう少し広がるのか、拠点をつくってどこかに集めればできるのか、どういう形であれば参加できるのかということを調査も含めて対応したい」

吉村知事「できるだけ持続可能な仕組みで考えていきたい」

朝野氏「クリニックの先生方も診たくないわけではなく、安全に診たい。行政、地域のネットワークがサポートして安全な状況をつくり、最終的には通常医療に持って行くというなだらかなコースを歩んでいただければ」

 会議後の会見で、医師会の一部から出ているクリニックの輪番制による発熱外来の設置について聞いた。

大阪日日「(インテックスのような大規模ではなく)休日・夜間急病診療所や小学校跡地などで発熱外来に対応できないかという意見もある」

吉村知事「医療の実態に合った形でどう広めていくのか、国が大方針を出さない限り、医療界の了解を得ながら徐々に広げていくしかない。その方策を模索していきたい」