週刊大阪日日新聞

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2022/2/26

アクションプロジェクト 大学生が記者に挑戦

大阪国際大学 大阪日日新聞 連携企画

 大阪国際大と大阪日日新聞、週刊大阪日日新聞が協働し、学生たちが記者の活動を体験するアクションプロジェクトを同大で実施した。大学生に新聞に興味を持ってもらうとともに、取材や執筆を通して学内外のさまざまな人たちとコミュニケーションを図り、自分の意見を形成することを学んでもらうのが狙い。

 同大3、4年の学生6人が「保護犬」「聴覚障害」「炊き出し」「移住」「空き家」と、興味のある五つのテーマに積極的に取り組んだ。

 新型コロナウイルス禍で活動に制限がある中、学生たちは関係者に会って取材し、記事にまとめた。今回の特集では「聴覚障害」と「炊き出し」を紹介する。他の記事も順次、大阪日日新聞に掲載する。


▲取材した内容について順番にプレゼンテーションする学生ら

健聴者と障害者を「TSUNAGU」


▲「TSUNAGU」のポーズをとる西尾さん

 「健聴者と聴覚障害者が共存しあえる社会をつくるための架け橋になりたい」と語るのは大阪国際大短期大学部2年の西尾真奈さん(20)。学内で2020年6月から聴覚障害のある当事者として、手話を広める活動「TSUNAGU」を行っている。主にインスタグラムでの手話歌の投稿やビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でのイベントの開催をしている。

■初めて体験する『手話』の世界

 健聴者が手話をできるようになれば、聴覚障害者は障害を気にせず自分らしく生きられると考える西尾さんだが、障害があると分かった当初からこのように考えていたわけではない。中学2年の健康診断時、聴力検査で応答用押ボタンスイッチが押せておらず、病院へ行った。検査の結果、聴覚障害があることが判明。服薬しても聞こえがよくならず、聞こえにくいままなのだと悟ったが、障害者になるということが信じられず、「自分は障害者じゃない」と心をごまかしながら生活していた。

 障害者になることを信じられなかった西尾さんが、手話を広めるようになったきっかけは、同じ聴覚障害がある人々との出会いだった。高校1年の頃、デフサッカーの日本代表候補合宿に参加した。そこには聴覚障害者特有の『手話』の世界があった。当時は自己紹介程度の手話しかできず、健聴者でもなく聴覚障害者にもなりきれていない自分の居場所のなさを感じた。「みんなと話せるようになりたい」と、手話を友人に教わりながら本やテレビでも勉強するようになり、手話技能検定3級を取得した。


▲2020年11月に開催された「TSUNAGU」オンラインイベントに向け、「Zoom(ズーム)」でミーティングする西尾さん(右上)とメンバー

 西尾さんは「TSUNAGU」への思いについて「健聴者と聴覚障害者が接する上で手話が壁となっているから、その壁を少しでもなくしたい。自分が健聴者と聴覚障害者両方の経験者だからこそ、両者が互いに理解を深め、共存できる社会をつくる架け橋になりたい」と話す。

 将来の夢は「手話のできる美容師」になること。聴覚障害者だけでなく健聴者にも、「手話を知りたいからこの人に担当してほしい」という理由で選んでもらいたいとし、そのために努力を惜しまない。

■自分にしかない個性

 西尾さんは、同じ聴覚障害のある若い人に対しこう語る。「周囲に障害のことを打ち明けることが怖かったが、隠していても何も変わらないことに気づいた。勇気を持って周囲に打ち明けることで、理解しようとしてくれる人は絶対にいる。障害をハンディとマイナスに捉えるのではなく、自分にしかない個性だとプラスに捉えてほしい。そうすることで見える世界も変化する」。

◇          ◇

取材後記

 聴覚障害があると分かった当初から、手話を広めたいと考える現在までの心の移り変わりが印象的であった。聴覚障害者と健聴者が共存する環境をつくるための努力を惜しまない姿に心を動かされる。同じ聴覚障害を持つ若い方だけでなく、健聴者の方にも西尾さんの熱い思いが届いてほしい。


20年以上の炊き出し活動「炊き出し志絆会」


▲炊き出し活動をする「炊き出し志絆会」

 「ただ、一杯のカレーを届けたい」─。昨年11月28日にNPO法人「炊き出し志絆会」(大阪市阿倍野区)はあいりん福祉センター前でボランティアとともに炊き出し活動を実施した。現地に着くころにはすでにホームレスの人たちが一列で並んで待っており、同法人は「お弁当です。どうぞ」と笑顔で炊き出しを行う。 ホームレスの人たちは「ありがとう」と受け取り、おのおのの生活する拠点へと帰っていく。

 2021年の大阪市のホームレスの数は990人(厚生労働省)。あいりん福祉センターの周辺には50人以上もの人がホームレスとして生活していた。かれらは冬場の厳しい寒さを路上で、寝袋やごみ袋に包まって耐えている。同年の大阪府の最低気温は0・7度(goo天気)。命に関わる寒さの中で、過去には凍死した人もいたという。そんな中、同法人は「一杯のカレーを届ける」ことを目的に毎月1回の炊き出し活動を行う。

■コロナ禍でもできることが

 炊き出し志絆会は7年前に法人化したが、以前は「志絆会」という任意団体として20年以上も炊き出しを続けてきた。主にカレーの炊き出しを行い、ホームレスの人たちと歌やマッサージなどで交流もしていた。しかし新型コロナウイルス感染症の発生後はやむなく中断。新規ボランティアの受け入れも断っているという。現在は弁当を作り、お茶やカイロ、お菓子と一緒に袋詰めしたものを渡すことに留まっている。昨年11月には西成永信防災会館に集合し、250食を作った。午後になると「あいりんシェルター」へ移動し200食を提供。「あいりん労働福祉センター」まで移動し50食をホームレスたちに渡した。


▲西成永信防災会館で袋詰めする「炊き出し志絆会」
■自分にできる精いっぱいを

 ボランティア参加者の一人は「路上で人が寝ていることが日常であることに衝撃を受けた」と話す。同法人の副理事である西川多恵子さんは「とにかく一杯のカレーを届けたい。それが私たちにできる精いっぱいだから。少しでも今生きているおっちゃんたちに楽になってもらいたい」と願う。また「この活動ができるのはボランティアの皆さんのおかげ。彼らがいてくれる限り活動を続けていきたい」と感謝。今後も炊き出し志絆会は自分たちにできることを探し、必要とする人たちのために活動を続ける方針だ。

◇          ◇

取材後記

 テーマを決め、炊き出しを体験し、取材をして記事を書く。この記事を完成させるにあたりさまざまな活動ができた。取材先では、話が盛り上がり、インタビューの時間はあっという間に過ぎてしまった。また、ボランティアに参加されていた方はそれぞれに思いや行動力があり、敬服した。今後の自分の活動には、意思と行動力を持って取り組んでいこうと思えた。

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