週刊大阪日日新聞

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2021/9/11

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

デルタ株で大阪市内の休校相次ぐ 

2学期 こどもの感染どう守る?


▲ワクチン接種を呼び掛ける松井市長=6月10日、大阪市役所

 私のスマホには、住居地の自治体から「安心・安全メール」と題したお知らせが届く。7月中旬から子どもたちのコロナ感染≠伝える連絡が急増してきた。インド系と呼ばれるデルタ株は、従来型に比べウイルス量が1200倍と言われ、感染力も倍増。「コロナとはほぼ無縁」だったはずの幼い子どもたちにも広がっている。

 新学期を迎え、大阪市では77の市立の小中学校が休校(9月3日現在)になっており、保護者が「どうしたら子どもたちを守れるのか?」を世代ごとに考えてみよう。

文科省は一斉休校拒否 子どもの精神的ケアも必要

【未就学児】 濃厚接触の保育園

 ポイントは@子どもを守るA子どもを伸び伸び遊ばせるB子どもの学びを確保する、の3点だ。一見矛盾するようだが、いくら「コロナが怖い」からといって、子どもを社会的に隔離し日々を過ごさせることは出来ない。しかし、10代以下の感染者数は夏休み前の7月中旬と比べ、夏休み最終の8月後半には約8倍にまで拡大。12歳以下はワクチン未接種で保護者も「どうやったら阻止できるの?」と悩んでいる。

 就学児の場合、第3波まではほぼ感染ゼロに近かったが、第4波のアルファ株は親がウイルスを持ち帰って子どもに移すケースがボチボチ出だした程度。なので@親がワクチン接種でコロナにかからない対策A日頃から家族全員で検温などの体調管理、の対策でほぼ十分だった。

 ところが現在の第5波は、日本小児科学会が「2歳未満の重症化」を懸念。仮に保育園などで感染拡大するとクラスターにつながり、家庭に持ち込まれさらに広がるからだ。保育園などではおむつ交換やだっこなど濃厚接触が避けられず、幼い子は食事を黙って食べられないしマスクもし続けられられない。

 子どもはデルタ株でも症状は2、3日で熱も下がり鼻水が出る程度でほとんど重症化しないことに変わりない。普通の風邪と見分けが付きにくいが、親の方に基礎疾患があるとコロナなら命に関わる。家庭内で親などの保護者の感染が分かっても、子どもだけを完全隔離するのは病院の医療ひっ迫状況から事実上困難。子どもを見るために、保護者が勤めやパートを休まなくてはならないのが現実だ。

【小・中学生】 管理者は戦々恐々

 小学生は家庭での感染例が約8割を占める。新学期になって交流が増えると共に、児童同士の感染や親世代へ逆流感染も増えている。最近では、子どもでもコロナ感染後遺症が見受けられるようになり「倦怠感(けんたいかん)」や「動悸(どうき)」を訴えるケースも。

 厚労省アドバイザリーボードの試算では「学校再開と共に60歳以上を除き感染者が増える」と予測。実態数値は「9月中旬頃」に示される。大阪でも子どもの陽性率が6月からジワジワと上がっており、吉村府知事は「逆流現象」と表現。親から子へ、子から子への感染も確認されている。

 それでも大阪市は「子どもの命に関わる問題点はない」として、通常通り新学期授業を続行。大阪府は9月に入ってガイドラインを整え、修学旅行は原則中止、運動系部活はリスク高いので自粛、体育祭はリスクの高い種目は見送りと、細かく学校に指示している。

 大阪は依然として感染者全体が多く、ダウンに転じた東京に比べ概ね2週間ぐらい遅れて結果が出てくる傾向にあるので油断は禁物。自治体によっては、夏休みを利用して子どもにワクチン接種を進めた地域もあったが、大阪では給食時のリスクを避け、リモート授業と対面で午前中だけで授業を打ち切る対策が中心だ。

 子どもたちが、コロナでむしばまれた精神的ケアも見過ごしてはならない。中学校では運動会が無観客の上、人気種目が「密」を理由に差し替えられている。昼食時は時間制限付きの黙食、先生たちは消毒作業に追われ、修学旅行も流動的とあってはイライラも増すばかり。仮に小学校がコロナで休校になれば学童保育も休止なので、保護者が勤めを休むケースも増える。子どもたちは親が思っている以上にコロナ感染に敏感で、結果的に自分が家にウイルスを持ち込んだとなると「パパやママに迷惑を掛けた」と非常に落ち込む。

 なぜ12歳以下の小学生に「日本ではコロナワクチンを打てないか」の理由だが、単に臨床データ不足に過ぎない。諸外国では小学生にもワクチン接種を計画したり、既に実施したりしている。

 せめて教職員側だけでもワクチン接種を急いでほしいが、これも対応は自治体でバラバラ。隣の尼崎市では市立小教諭が、コロナ陽性結果が出ているのに夏休み中で上司に報告せず、「完治した」と勝手に思って新学期にそのまま登校していた危ない例も。もっとも学習塾では既にクラスター発生が報告され、保護者側は「自分たちで子どもの登校可否を判断させて」との要求は強まるばかりだ。それぞれの家庭で、保護者の就労状況や家庭のインターネット回線の接続状況が異なるためで、教委や学校の一律的な上意下達だけで問題は片付きそうもない。

【高校生】 行動範囲広い

 16〜18歳の高校生はどうだろう。感染場所は「学校などで」が半数に近づき、家庭を逆転。高校生は通学距離が延び、行動範囲が広がるからだ。第5波の学内クラスター分析では、部活の運動部が6割、文化部が1割。クラスが2割に達し、教員のみ0・5割となって、夏の甲子園でも2校が部員感染で出場辞退。高校総体でもバトミントンなど6競技10校に辞退者が出ている。

 高校での新学期対策は年齢的にも分散登校やオンライン授業など大学生並みの対応が進み、部活もスマホでオンラインなど学校ごとに工夫がみられる。

 しかし、「授業さえやっていればOK」なのではなく、東京の明星大2年の学生(19)から「十分な教育を受ける機会が失われた」と大学に対し損害賠償請求が出され現状に一石が投じられた。工夫のない学校当局に対する抗議からだろう。

尾身会長は「各自治体判断で」

 保護者は昨春の第1波で、全国一斉休校が約3カ月続いたことをよく覚えている。国民への衝撃度は大きく、第1波は一気に終息した。しかし、現在の文科省は一斉休校をまったく考えていない。「今後社会を動かして行くために、問答無用で子どもを家に留めたら、保護者の身動きが取れない」という理由からだ。政府分科会の尾身茂会長が「9月に学校が始まるとまた感染拡大して医療ひっ迫もありうる。夏休み延長や2学期開始時期を各自治体の判断で決めてもらったほうが…」と提案したが文科省は全く反応しなかった。

 コロナ休校などの文科省の実施基準は「同一学級2人以上感染で学級閉鎖、複数の学級閉鎖で学年閉鎖、複数の学年閉鎖で休校」と通常のインフルエンザ並みに緩やか。しかも期間は5〜7日で、空港の水際対策の2週間に比べ短い。菅首相が強調した「全国の小中学校に抗原検査キット80万回分提供」も、文科省は「その対象は教職員」とし「児童生徒は、体調不良なら病院か自宅へ」との姿勢を変えていない。結局、子どもたちの安心安全は誰も保証してくれず「登校か?家庭か?」の判断は保護者責任になる。

 緊急事態宣言は21都道府県に継続中だが、家庭消費額から見ると約8割に相当。「日本全土を覆い尽くしている」といっても過言ではない。デルタ株はこれまでより格段に感染力が強い。ウイルス量の多いエアロゾル感染は、例えるなら他人のはき出すたばこの煙をすべて避け切るぐらいの気持ちで、回りの人の飛び散る飛まつに注意していないと感染してしまう。

 身近な子どもの体調変化に目配りと気配りを欠かさないことが何より大切だ。

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