2021/8/28
今だからこそ「東京五輪」残念集 場外でもルール違反!?
五輪の華 陸上、競泳は大惨敗

オリ・パラTOKYO2020と略される東京五輪は8日に閉幕。日本は金メダル過去最多27個を含む史上最多58個のメダルラッシュに沸いた。現在後半戦の東京パラリンピックの真っ最中。菅総理はコロナの感染爆発にはいつも言葉少なだが、こと五輪の結果については外国メディアのインタビューで「やめるのは一番簡単なこと。挑戦するのが役目」と成果を誇らしげに語っている。アラ探しと揚げ足取りするようで恐縮だが、今年の五輪で思わず『残念!』と声を上げてしまった事柄を総まくり。
開閉会式の残念集
まず会場となった国立競技場(新宿区)の建て替えからケチが付いた。2012年に国際コンペでイラク人女性建築家、ザハ・ハディッドさん(16年に65歳で死去)のデザイン採用が決定。しかし総工費3000億円超に批判が噴出。15年に白紙撤回し、隈研吾さん(67)による1490億円の案に決まった。元はと言えば、前回東京五輪の時の新国立競技場が収容人員5万6000人で、IOCが「五輪のメイン会場は収容6万人以上」とイチャモンを付けたのが始まり。新競技場は6万8000人収容だが、開閉会式とも無観客で全てはムダ遣いに。
開閉会式の演出は、能楽師・野村萬斎さん(55)をリーダーとした演出チームが担当することになっていたが、開催1年延期と式典簡素化で降板し白紙に。そこから開催直前まで、式典の楽曲、演出担当者の不適切発言や過去のいじめ問題で辞任や解任の嵐。結局開会式は予定より延び計4時間も掛かったのにさしたる新味なし。閉会式では芝生で寝転んでアトラクションを眺める外国人選手が次々途中退出するお粗末さだった。

ワースト種目はコレ
競泳 大橋悠依選手(25)の史上初の女子2冠で隠れてはいるが、総数メダル3個は、ロンドン11個、リオ7個に比べ大惨敗。惜しかったのではなく、決勝進出自体が9種目で1988年ソウル以来の1桁だから話しにならない。象徴的だったのは不倫騒動で主将などすべての役職を解かれた瀬戸大也選手(27)で、3種目で決勝に進めたのが1つという大不振。ほとんどの選手が自己ベスト更新できず、自国開催による練習拠点確保や食事、長距離移動、時差ぼけなしなどのメリットも生かせなかった。米テレビ放送に合わせた午前決勝、午後予選の時間割を原因に挙げる人もいるがそれは他国選手も同じ。むしろ社会人20人に対し大学生11人、高校生はわずか2人というチーム高齢化が問題。
陸上 米テレビ向け時間割と自己ベスト更新をできないメンタルの弱さは、男子400mリレー失格をはじめとする陸上陣も同じ。ただし、陸上は元々アジアと欧米の力差が大きく、投てきや跳躍種目の多くは五輪標準記録にすら届かず出場枠確保ができていない。地味な男子競歩20キロで銀、銅のメダルを得たのが今大会メダルのすべて。9秒台続出で期待された男子100mで山県、多田、小池の3選手、男子200mの山下、飯塚、サニブラウンの3選手はいずれも予選落ち。そこで「リレーだけは…」とイチかバチかのバトン受け渡しギャンブルに出ざるを得なくなり失敗しただけ。唯一、女子中距離の田中希実選手(21)が1500mで自己ベストを連発して決勝進出と粘ったが、それでも8位入賞とメダルからはほど遠かった。
バドミントン リオで大活躍し、スポーツ庁から強化費分配格付け最上位「A」に位置付けられていたが、結果的には混合複での銅が唯一の大惨敗。男子単で優勝候補世界ランク1位の桃田賢斗選手(26)の予選敗退がケチの付き始め。女子単は奥原、山口ともに準々決勝を突破できず、男女複もベスト8止まり。原因はリオで女子が複で金、単で銅を獲得。その後も世界大会優勝など結果を次々残していたことから、リオまでの追う立場から、東京では他国に徹底マークされ打倒日本≠ナ追われる立場に陥り抜け出せなかった。
7人制ラグビー リオで男子が4位入賞、19年ラグビーW杯でベスト8進出とひそかにメダル期待も、出場12チーム中男子11位、女子12位と目も当てられない惨敗。15人制に比べ、よりスピードが要求されるがパワーと作戦面でも手も足も出なかった。日本では15人制の選手が片手間でやっているのが実態 で、7人制独自の選手育成まで進んでいない。
3×3バスケ 都会で若者が好むアーバンスポーツ&ェ野でスケートボードやスポーツクライミングはメダルラッシュに沸いたが、3×3は男子6位、女子5位と届かなかった。通常のバスケの半分のコートで戦い、特に女子は出場権を自力で獲得して食らい付いたが準々決勝止まり。5人制バスケで女子が銀メダルを得ただけに落差は大きい。

トラブルな人々
●15年、最初に決まった佐野研二郎さん(49)によるシンボルマークが、盗用疑惑で撤回。佐野さんはその後も多くの商品のデザインを手がけ健在。
●19年、JOCの竹田恒和会長(73)が招致に関する仏司法当局からの贈収賄疑惑で辞任。現在までの弁護士費用2億円はJOCが負担中。
●今五輪前、森喜朗・組織委員会会長(84)が女性理事べっ視発言で辞任。橋本聖子現会長(56)の後見人として今も隠然たる力を保持。
●今五輪中、野球評論家の張本勲氏(81)が女性ボクシング選手へのべっ視発言。出演番組に抗議殺到も、番組内での謝罪のみで出演は継続。
●今五輪閉幕直後、テレビ朝日スポーツ局スタッフ10人が五輪打ち上げでカラオケ飲酒。女性社員が泥酔して階段転落し重傷。足骨折全治6カ月。
●今五輪閉幕直後、政府オリパラ推進本部の平田竹男事務局長(61)が高額接待と公用車私用私用で辞任。通産官僚の内閣参与で、醜聞に即辞任で釈明もせずスタコラ。
金メダルかじり事件
今五輪中、河村たかし名古屋市長(72)が、優勝報告に訪れた女子ソフトボール選手の金メダルをかむパフォーマンス。市役所に1万件以上の苦情が寄せられ謝罪し、3カ月間の給与返上も辞任は否定。
戦い済んで懐勘定
●無観客開催になりチケット売り上げ代金見込み900億円はほぼ消滅。
●大会経費は、13年招致当初の見積もり額は7340億円でスローガン「コンパクトな復興五輪」だった。実際に使った額は膨らみ続けて3兆円。
●東京五輪は当初12兆円の経済効果を試算していたが、コロナ禍の無観客開催ですべて画餅に。

脱走と亡命
●泉佐野市での大会事前合宿中に、ウガンダの男子重量挙、ジュリアス・セチトレコ選手(20)が「日本で働きたい」と脱走。三重県内で見つかり国へ送還。帰国後拘束された。
●ベラルーシの女子陸上200m、クリスチーナ・チマノフスカヤ選手(26)がコーチとのトラブルで強制帰国命令を受け、拒否しポーランドに亡命。
コロナ対策
●菅首相やバッハIOC会長は「日本国民の安心安全が最優先」と繰り返し。財務官僚出身の武藤敏郎組織委事務局長(78)は五輪関連コロナ感染者数が264人の時点で「想定内」と平然としていた。最終的に430人まで増え続け、選手感染は29人。一方で熱中症は期間中150人。うち選手は59人で、6選手が救急搬送された。
●大会開幕直前に、ペルー由来のアンデス株感染の五輪関係者でペルー滞在歴ある女性(30代)が日本の空港検疫で判明。なぜか厚労省は公表せず、五輪組織委などにも通知せず。終了後に外国での報道で発覚し、厚労省も追認。
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