週刊大阪日日新聞

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2021/7/24

一日千秋 天神祭

 天神祭は、千年余りの伝統を次世代に引き継ごうとする多様な人の思いで成り立つ。2年連続規模縮小となった今年、来年こそはと気持ちを新たにしたり、新型コロナウイルス対策が徹底できる範囲で、行動を起こす人たちも少なくない。大阪の夏の風物詩を守ろうという決意。祭りを支える原動力にもつながっている。

来年こそは夜空に大輪

奉納花火実行委 大阪に元気を


▲大阪の夜空に大輪を咲かせる奉納花火(過去の様子)。2年連続で打ち上げは中止になったが、関係者は「来年こそは」と願う

 祭りのクライマックスになる奉納花火は、人の密集を生むため、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、今春には中止が決まった。

 花火を手掛ける水都祭・天神祭奉納花火実行委は「まさか2年連続中止になるとは思わなかったが、人の命を守るための当然の決断。来年こそは、浪速の夜空に大輪の花を咲かせたい」と力を込める。

 水都祭は、戦争で焦土と化した水都・大阪の復興を願って1946年にスタート。2002年以降は、淀川河畔から都心の大川へと会場を移し、天神祭奉納花火として開催してきた。

 16年からは、レーザー光を使った演出を導入。協賛企業名をはじめ、イラストやメッセージで見物客の目を楽しませてきた。

 「大阪を元気に」を合言葉に、花火を打ち上げてきたという実行委の関係者は「25年大阪・関西万博の開催を控え、大阪からより一層元気を発信していかなければならない」と、来年の開催に向けて思いを新たにしていた。


ハモの奉納欠かさず

受け継がれる食文化


▲奉納に合わせて行うハモの骨切り。実演する徳島県の漁業関係者ら(過去の様子)

 天神祭の幕開けを告げる七夕の神事では、徳島県内の漁協が例年通りハモを奉納した。祭りの時期に味わう料理の食材として親しまれてきた風習を踏まえ、実施してきた取り組み。新型コロナウイルス禍の前は、ハモの骨切りを実演するなどしてきたが、感染拡大防止対策の一環で奉納のみを実施。関係者らは、祭りと共に受け継がれる食文化を、次世代へと伝えていく。

 天神祭の関係者らは、室町時代には七夕の日に天神祭が行われた記録があることを踏まえ、7月7日を祭りの開始日と位置付けている。

 この時期には、徳島県産のハモを使った料理が、大阪で振る舞われるのを背景に奉納が始まり、地元漁協の関係者が、和装でハモの骨切りを披露するなどしてきた。

 新型コロナ禍では、こうした行事は全て中止したもの奉納は継続。同県の小松島漁協の関係者は「天神祭の時期に、ハモを味わう食文化を伝えていきたい」と話していた。旬を迎えるハモの味は、祭りに欠かせない要素になっている。


江戸期の息吹体感

全長8mの舟形山車や大坂の食


▲舟形の山車「天神丸」の上空では、花火が打ち上げられる夜の演出がある

 かつての天神祭で登場していた全長8mの船形の山車に、夜空には花火―。そんな景色を体験できるのが、大阪市立住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」(大阪市北区)。江戸期の大坂の町並みを実物大で復元したフロアは、4〜8月末まで「夏祭りの飾り」をテーマにした装い。家屋の飾り付けから食まで、天神祭の時期の暮らしぶりを味わえる。

 フロアのメインストリートの奥で、圧倒的な存在感を放っているのが、同市指定有形民俗 文化財の舟形山車「天神丸」。江戸期の元禄年間(1688〜1704年)に、舟運業者仲間により建造され、1926(大正15)年を最後に天神祭には登場しなくなったという。2001年の同館開館とともに修復された。


▲大阪府の有形民俗文化財に指定されている「御迎え人形」のうち、今年展示されている「雀踊(すずめおどり)」

 大名の御座船を模した山車で、全長8m、高さ3m、幅2mの大きさを誇る。屋形部分には、豪華な彫り物が見られる。

 このほかにも、祭りで飾り付けされる大型人形「御迎え人形」をはじめ、ハモの照り焼きやばらずしといった食の見本なども展示。フロアは、一日の時間の移り変わりをライトなどで演出しており、夜には打ち上げ花火がにぎやかな音と共に映し出される。

 昨年は新型コロナウイルス禍を踏まえ、映像による解説を充実させて非接触型の運営にも尽力。上田祥悟学芸員は「親 子連れでも夏祭りの雰囲気を楽しんでいただければ」と呼び掛けている。来年の天神祭の完全復活≠ノ向け、今年は過去の姿を知っておくのも参考になる。


途切れない祭りの彩り

御迎え人形レプリカ展


▲大阪シティ信金のロビーに展示された御迎え人形の小型レプリカ

 疫病退散の願いが込められている天神祭の大型人形「御(お)迎え人形」の小型レプリカ計16体が、大阪市中央区の大阪シティ信用金庫本店ロビーで展示されている。新型コロナウイルス収束を祈念し、祭りの文化を伝えていこうと同金庫が展開している。30日まで。

 御迎え人形は、江戸時代の祭礼当日、神のみ霊を祭った船団を迎えるための船に飾られた。高さは2m程度で、多くは当時流行した浄瑠璃や歌舞伎の登場人物が採用された。赤い装飾を身に付けており、疫病ばらいの意味がある。

 近年は、祭りの時期になると、現存するうちの何体かが同市内の各所に設置され、巡り歩く企画が繰り広げられてきたものの、新型コロナの影響で2年連続中止。同金庫は、せめて小型レプリカを例年通り設置し、祭りの文化をつなごうと展示を継続した。

 ロビーでは、御迎え人形の説明板とともに、高さ10cm余りの小型レプリカがずらり。愛らしい姿が来店者の目を和ませていた。

 同金庫の担当者は「地域の方々が新型コロナに感染せず、健康に過ごしてもらえるように願いを込めた。天神祭の伝統を承継していきたい」と話した。

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