週刊大阪日日新聞

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2021/7/24

一日千秋 天神祭

 大阪の夏を彩る日本三大祭りの一つ天神祭は、新型コロナウイルス禍の影響で、2年連続規模を縮小する異例の事態で迎える。大阪の都心部の川を約100隻の船が行き交う船渡御(ふなとぎょ)や、約5千発の奉納花火といった華やかな行事を取りやめる。一方、神様が氏地を巡り、街の平穏を願うという祭りの伝統を来年につなぐため、昨年にはない新たな試みを盛り込む。 完全復活≠ノ向け、一日千秋の思いで挑む関係者ら。千年以上にわたって、さまざまな厄災を乗り越えてきた祭りの歴史に、新たな一ページを加えようとしている。


▲菅原道真公のみ霊が移され、地域を巡る御鳳輦(過去の様子)。今年は近隣の川までを行き来する

厄災乗り越える

伝統継承へ新たな試みも

 「伝統を継承する観点から、規模を縮小してでも渡御行事を斎行したかった」―。大阪天満宮(大阪市北区)をはじめ、祭りの関係者らでつくる「天神祭渡御行事保存協賛会」(同区)の栗原宏武会長代行は、5月に同宮で開いた記者会見で無念の表情を浮かべた。


▲今夏の天神祭について、記者会見で説明する寺井宮司(右から2人目)ら
■消えた「計画案」

 新型コロナの影響で、船渡御をはじめ、約3千人による陸渡御や、奉納花火といった人が集まる行事を中止した昨年。7月25日の本宮の神事を無事終えて以降、コロナ禍を見据えた斎行の在り方について、同協賛会は関係団体と共に検討を重ねてきた。

 今年4月、同協賛会の常務会では、収束が見込めない状況を踏まえた「第1次計画案」を提案。渡御行事の今後への継承を重視し、陸渡御や船渡御について縮小して斎行するという内容だった。

 しかし、その直後から府内の新規感染者数が急増。1日当たり千人を超える日が続く深刻な事態となり、小規模の斎行も困難との判断に至る。第1次計画がご破算となった瞬間だった。栗原会長代行は「人々の命と健康を守らなければならない。断腸の思いだった」と振り返った。

■本来の形つなぐ

 天神祭は、951年に始まったとされ、夏枯れを払拭(ふっしょく)し、地域の安寧を願う祭り。大阪天満宮の境内で神事を行うとともに、祭神・菅原道真公のみ霊を移した「御鳳輦(ごほうれん)」を中心にした一団が、地域を巡行するのが一連の流れだ。


▲境内で神事が斎行された本宮の様子。初めてオンライン中継に取り組んだ

 5月の常務会。その肝の部分だけでも引き継いでいこうという「第2次計画案」が結論となった。

 御鳳輦の付き人役など、50人程度が付き従う「神幸(しんこう)列」の形式で、境内から近隣の川までの約300mを往復。川辺では、神様の休憩所≠ニなる「御旅所(おたびしょ)」を設け、神事を執り行う。

 新型コロナ感染拡大防止対策として、人が集まらないよう時間は明らかにせず、後日動画を公開する予定だ。

 見据えるのは、新型コロナの収束後。神事を担う同宮の寺井種治宮司は「来年こそはコロナ禍を乗り越え、盛大に、厳粛に斎行したい」と決意を示した。


2年ぶり任命の神童

地域とともに歩み続ける


▲2年ぶりに任命された神童の柳生君(前列右から2人目)ら

 今年の天神祭では、神事で重要な役割を担う神童が2年ぶりに任命された。昨年は、新型コロナウイルス対策の在り方を模索する社会環境の中で中止を決めたが、今回は十分な対策を講じて運営する方針。神童は例年地元の子どもから選定しており、地域とともに歩む伝統を守る。


▲鉾流神事で鉾を流す神童(右から2人目、過去の様子)

 神童が主役となるのが「鉾流(ほこながし)神事」。神事は、951年に始まったとされ、鉾を流し、流れ着いた場所を神様の巡行の場所と定めた故事にちなむ。現在は、場所を決めるための神事ではなくなったものの、祭りに向けて「神意を伺う」観点で斎行。鉾を流す役割を担うのが神童だ。

 神童は例年、西天満小学校の6年生から選定。任命された子どもは、牛や豚といった四足の動物の肉を食べてはならないといった規律を守り、当日に備える。

 2年ぶりの大役に臨むのは、柳生晃希君(12)。6月には、祭りで着用する衣装を受け取る「装束賜式(しょうぞくたばりしき)」や、自宅をはらい清める「自宅清祓(きよはらい)式」に出席し、「言葉遣いから気をつけ、決まりを守って本番に臨みたい」と力を込めていた。


奉仕の精神継承

清掃ボランティア


▲清掃活動に臨む「ダストバスターズ」の参加者ら(過去の様子)

 天神祭の中では、奉仕の精神を受け継いでいく挑戦も続いている。清掃に従事するボランティア団体「ダストバスターズ」だ。25日の本宮では、2年ぶりの活動を計画。関係者は「奉仕活動の伝統を来年につなげていきたい」と意欲を示す。

 ダストバスターズは、1993年に発足。大阪天満宮(大阪市北区)が事務局を担い、美化委員会を組織して繰り広げてきた。新型コロナウイルス流行前は、例年、本宮と24日の宵宮の2日間で延べ500人前後が参加している。

 新型コロナ禍で主要行事が中止になった昨年も、奉仕活動をつないでいく重要性を踏まえ、主要スタッフ10人程度が本宮の日に同宮周辺の清掃を企画。しかし、雨天のため実現しなかった。

 今年も新型コロナ禍で、祭り自体が2年連続規模縮小となったが、ダストバスターズは本宮での清掃に改めて臨む。今年は神事が昨年よりも拡充するため、それに合わせて清掃場所も加える予定だ。

 大阪天満宮の園博年権禰宜(ねぎ)は「新型コロナが収束したとき、以前のように活動できるよう備えておきたい」と思いを込めていた。

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