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2021/7/24

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

新型コロナの大誤解 

クルーズ船検疫の医師 お門違いの感染対策を一刀両断

 日本中をコロナウイルスが覆い、2回目の夏休みが巡って来た。誰もが「こんなに長引くなんて…」とうんざりする中で、変異株は「子どもにも感染しやすい」といった情報もありお母さんたちはピリピリ。

 ここで私は1冊の本に注目した。「もうだまされない新型コロナの大誤解」(幻冬舎、税込み1430円)。筆者は国立病院機構「仙台医療センター」ウイルスセンター長の西村秀一医師。昨年2月に大騒ぎになったクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』に臨時検疫官として乗り込んで感染経路を突き止めた方だ。

 まず現在の感染対策について「ホントですか?感染リスクはどれくらい?」と疑問を持つことを提案。結論で「ゼロリスクを追及する余り、逆に健康への悪影響や社会分断を呼んでいる」と断じた。具体的には「新しい生活様式≠ニ言いながら、的外れで新しい不自由生活≠ノ陥っている」と警鐘を鳴らす。その根底には「日本人は念のため≠ェ大好き。それがやがて迷信となる」といたってクールだ。

 専門家によるウイルスの動き解明≠中心に読み解いてみた。

呼吸器系のコロナは皮膚や粘膜から感染しない

「念のため」が迷信を呼ぶ

▲「もうだまされない新型コロナの大誤解」(幻冬舎)

 コロナウイルスが脅威となって世の中は、ばい菌もウイルスも全て「悪」と見なされている。自然界には無数の環境ウイルスが存在するが、人への病原性を持つ物はごく一部。なのに全てを「殺菌しよう」とすること自体がナンセンスな発想なのだ。

 人に危害を加えるウイルス一つ取っても、新型コロナやインフルエンザのような『呼吸器系』だけでなく、肺炎やエボラ出血熱などの『血液系』、目から感染する『角膜系』、ノロなど『消化器系』と大きく分けても4タイプある。

 コロナは『呼吸器系』だから口や鼻の上気道から入り、下気道の気管支などを経て肺で重症化する。この経路しか無いから、食道などの消化器に入ればコロナウイルスは死ぬし、まして皮膚や粘膜からの感染はしない。

 では『呼吸器系』のコロナウイルスは、どうやって口や鼻に付くのだろう?感染者からはき出された息に混じったウイルスを、別の人が吸い込むケースしか通常ありえない。同医師は「エアロゾルとは空気感染」と断じる。例えとして「空気が川、感染者の口から出た飛沫が舟、それにウイルスが乗って運ばれる」とイメージ。そのウイルスを吸い込まないために大切なのは、言い古された『三密』の回避を挙げる。改めて三密とは@換気の悪い「密閉」A多数集まる「密集」B近くでしゃべる「密接」を指す。どれか一つだけでも要注意だ。

 西村医師は「感染するかどうかは、侵入するウイルス量で決まる」と見る。@の「密閉」だとウイルスが空気中で薄まらずその場に滞留。Aの「密集」は互いが一番危険な1〜2mまで接近。多人数だとリスクも上がる。Bの「密接」はしゃべれば遠くへ呼気を吐き出すし、ゆっくりと呼吸するだけとは比べものにならない、と指摘している。

最大ポイントは換気

 「服や机などに付いたウイルスに感染リスクはほとんどない。何でも消毒≠ヘ余り意味が無い」と過度な洗浄神話に否定的。消毒液で出入り口やトイレのドアノブまで拭く人がいるが、コロナ対策には無意味。同じように机洗浄やスイッチ類に手を触れない行為も単なる過剰反応。 最強の武器は換気。不特定多数が出入りする場所の空気を外へ追い出すのが決め手。エアコンがあっても部屋の空気を回すだけでは意味無いので、窓を開け放ち、扇風機で外に追いやる方が効果的。

 同医師が検疫した「ダイヤモンド・プリンセス」号は乗員乗客700人以上が感染し日本中を震え上がらせた。しかし、被害拡大の元凶は、省エネのために船内の空調が複数の部屋の空気を集め、3割ほど新鮮な空気を加えて各部屋に戻していたことによる空気感染だった事が後に判明した。そう書くと空気清浄機こそ必須アイテムのように映るが、同医師は「部屋の広さと清浄機能が合致していなければダメ。やはり換気が一番」と言っている。

最強タテは不織布マスク

 呼吸器からしか感染しないコロナで、ウイルス侵入を防ぐ守護神はマスク。日本人のマスク好きについて同医師は「子どもの頃の給食当番と、大人になってからの花粉症対策のおかげ」と想像。

 大事なのは選び方で、素材が全て。「N95や医療用はほぼ100%ブロック。不繊布も同様の効果。布やガーゼ、ポリエステルはそれより劣る。ウレタンはほぼ効果無し」といい、「若者に感染者が多いのは、ウレタンマスクのせいかも」と疑っている。

 鼻出しやあごマスクは論外だが、口や鼻への密着性こそ大切。「マスク表面を手で触れない事より、しっかり顔に密着していることが大切。不繊布マスクの上からウレタンマスクで押さえるのがベスト」とアドバイス。不繊布マスクは使用開始から8時間程度が経過すると劣化が始まるので「他の人がいない屋外では付け外しが必要。ケースに収め劣化を遅らせる」のが賢い対応だ。NGは「マスクを付け走る」行為。息苦しいので吸い込みが強まるし、第一心肺への負担が増し危険だ。

 なお、透明のフェイスシールドやマウスシールドに感染予防効果は期待できない。

場所別対応もムダ多し

 「手洗い、うがい」と言われるが、最も大事なのはうがい。それも水だけよりうがい薬を加えるのがベスト。出先でうがいしにくい時は、緑茶や紅茶を口に含んで転がし飲むだけでも効果がある。

 高リスクな場所は人通りの多い階段。換気が悪いし、上り下りで息が上がるから吐き出しも多い。ではエレベーターやエスカレーターの方が良いのか?咳やくしゃみ、会話さえなければまず安全。そういう人がいる場合は、マスクを押さえ息を止めていればリスクは下がる。電車やバスは外気取り入れを行っているが、しばらく同じ乗車位置にとどまるのでリスクはやはり咳やくしゃみ、会話だ。乗用車は自分独りだけならマスク不要。

 屋外でのバーベキューや音楽フェスは、ウレタンマスク姿が多いし同じ所にとどまり盛り上がって話しも弾み息も上がるからリスクあり。逆に公園の子ども遊戯具使用禁止は過剰反応で無意味。

 室内の焼き肉店やラーメン店は、油や湯気、臭いなどに敏感で構造的に換気が良い。大皿料理は人が集まり「密」になることに注意すれば、バイキング方式で取り分けて何ら問題ない。

 コンビニやスーパーのレジ前でのビニールカーテンや飲食店卓上のアクリル板。確かに直接飛沫は防げるが、エアロゾルに乗ってウイルスがカーテンやアクリル板内に入り込むと換気が悪ければ逆に滞留する危険性も。お金の受け渡しをトレイで行うのは皮膚感染しないので無意味。

 過去に危険性が指摘された施設を見ていこう。美容院や理髪店は確か超接近するし客はマスクもできない。同医師からの提案は「客に緑茶を飲んでもらう」こと。うがいする発想だ。カラオケ店も同様でマイク消毒より歌う前のお茶1杯。スポーツジムも器具を拭くより、会話禁止とお茶1杯の方が効果的。温泉施設は始めから湯気換気があり低リスク、サウナは高温なのでウイルスが生き続けにくい。いずれも「密」にならない事が大前提だ。

三密回避が大前提

 私がこの本を読んで最後に分かったのは、やはり「三密」回避、換気、マスクの3点セットの対策。それでも、手指消毒は別に害にはならないのでこれからも黙って付き合うつもり。入り口の予防ワクチン接種がさらに進んでも、出口の治療薬が早く承認されなければ普通の風邪≠ノはならない。

 地球上のパンデミックはこれで終わりではない。コロナ禍で生活習慣自体が大きく変貌した。はっきりしている事はかつてのコロナ前の日常へ「完全に戻れる日」はもう二度と来ないということだ。

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