週刊大阪日日新聞

大阪市(北・西・中央・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2021/5/29

最終的には免疫力。生活習慣が大切

「PCR検査の真実」で大反響 松下医師が寄稿


[プロフィル]松下医院、院長。昭和56年に神戸大学医学部卒業。国立循環器病センター、動脈硬化・代謝内科研究生、神戸大学医学部、第二内科医員。ブリティッシュ・コロンビア州立大学医学部(カナダ)、臨床病理研究員、六甲アイランド病院、内科医長など務めた。

 大阪市では24日から一般の新型コロナワクチン接種が始まりましたが、まずワクチンの事をきっちりと理解してもらいたいと思います。今回の新型コロナワクチン接種は自治体が実施主体です。私が開院している福島区民の場合は大阪市が実施主体です。先日急きょ決まった中之島の国際会議場で行われる集団接種は総務省が実施主体となり、自衛隊がそれに協力するようです。ワクチンの有効性、副反応を含めたメリット・デメリット、将来起きるかもしれない副作用は、本来実施主体が丁寧に住民に説明すべきですが、満足な説明はされていません。今回は新型コロナワクチンについてできるだけ分かりやすく解説していきますので、しっかりと理解した上で接種するのかしないのか自分で判断してください。

 今までのワクチンは主に2種類ありました。@生ワクチン(BCG、水痘、麻疹、風疹 等)A不活化ワクチン(インフルエンザ、日本脳炎、肺炎球菌 等)。生ワクチンは、何代も培養を繰り返したりさまざまな方法を用いて弱毒化した病原体を体内に入れるもので、弱いですが実際に感染が成立します。そのため通常1回の接種で免疫を獲得できます。不活化ワクチンは、病原体のタンパク成分だけを体内に入れるものです。抗原となるタンパク成分だけなので感染することはありません。したがって免疫がつきにくく通常2〜3回接種します。生ワクチンでは訓練免疫、自然免疫、獲得免疫(細胞性免疫、液性免疫)すべての免疫反応が獲得され、一番強力なワクチンです。不活化ワクチンは、バラバラにして無毒化した成分すべてを入れるものと、特定のタンパク質だけを入れるものがあります。どちらにしても獲得できる免疫は液性免疫だけです。従来のワクチンは免疫反応を引き起こす物質を体内に入れています。

重症化、回避の期待

 しかし5月24日から接種が始まったファイザー社、モデルナ社のワクチンは、根本的に考え方が違っています。両社のワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるもので、体内に病原体(今回は新型コロナウイルス)のタンパク成分を入れることはありません。そのかわり我々の筋肉細胞内に新型コロナウイルスのトゲトゲ部分を作るmRNAと言う遺伝子を入れ、細胞内のリボソームと言う機関を使ってスパイク蛋白(S蛋白)を作らせます。我々はS蛋白、トゲトゲに対する液性免疫を獲得します。今回のワクチンでは訓練免疫、自然免疫、細胞性免疫は獲得できません。感染・発症は阻止できないと私は考えますが、インフルエンザワクチンと同じように重症化は回避できると思います。

 スーパーに行ってお豆腐を見ると「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません」とまで書いてあります。お豆腐の原料となる大豆にそこまで神経質になっている日本人が、遺伝子組み換え技術で作成されたmRNAを直接注射で体内に注入されることをすんなりと受け入れるのは不思議ですし、そのことに全く疑問を持たず報道もしないマスコミも理解できません。結論的にはmRNAは体内で長くても数時間で分解されますし、我々の細胞の核内に組み入れられることは無いと考えられているので、短期的には安全で効果も期待できると思います。ただこのワクチンは人に使用してまだ1年ほどしか経っていないので5年後10年後の長期的な安全性はだれにも分かりません。

 この2社のワクチンに関して副反応はあまり問題になることは無いと思います。注射部位の痛み、倦怠感、発熱、特に若年者で2回目の接種後に多いようですが、ほぼ48時間以内には治まります。蕁麻疹(じんましん)等のアレルギー反応もあるようです。40歳未満の女性に多いとの報道もありますが、医療関係者が先行して接種していますので、そもそも看護師さん等女性の数が圧倒的に多いからだと思います。280万人に接種した時点で19人の方が亡くなっています。その詳細は厚労省のホームページに掲載されていますから興味のある方は見てください。ワクチン接種との直接的な因果関係があると思われるものはありませんでした。

高齢者は接種を

 65歳以上、特に75歳以上のご高齢者の方は重症化リスクが高く、人工呼吸器を装着する事態になると23%ほどの方がお亡くなりになっていますので、ファイザー社、モデルナ社のワクチンに関しては接種されることをお勧めいたします。アストラ社等のワクチンが承認された時にはまたそのワクチンのお話をしたいと思います。

 ワクチン接種はこれからどんどん進んでいきますが、ワクチンだけでは新型コロナウイルス感染症に打ち勝つことはできません。ワクチンは、我々が病原体に遭遇した時に駆使するすべての種類の免疫と言う武器を与えてくれるわけではありません。最終的には自分の免疫力がモノを言うのです。

 早く寝る、タバコは止める、紫外線を適度に浴びて運動する、適正体重にする、体を冷やさないようにする等々、免疫力を落とさない生活習慣が大切です。

>>4月10日号掲載 PCR検査の真実 医師・松下正幸氏にインタビュー

■大型施設が「平日営業」再開 USJ、海遊館でにぎわい

■新阪急、梅田OSなど閉館へ コロナ直撃°鼡ォのホテル業界

■本紙記者のコロナワクチン接種ルポ 手際よい会場運営。 接種も「あっという間」

■私のコロナ体験記 万全な医療体制でなくても治療が受けられれば救える命も

■人新世の「資本論」がベストセラー 大阪市立大准教授 斎藤幸平さんにインタビュー

■ワクチン予約、電話受付も 大阪市の大規模接種会場

■テナントは1日2万円支給 大規模施設への休業協力金 17日から受付

■矢田のまちづくりで協定 大阪市×日本GLP

■酒類事業支援金引き上げ 吉村知事「国と同額に」

■職域接種「柔軟、迅速に」 吉村知事、国へ要望

■スカイオでeスポーツ体験 南海電鉄、今夏開設

■大阪信愛中高、来年4月共学化 137年の女子教育転換

■「ご祈祷クッキー」完成 四天王寺大生がデザイン

■「ゴジラコマユバチ」と命名 府立大チームが新種のハチ発見

■コロナ労災313人 大阪労働局20年、府内

■募金型の電子看板設置 SDGs寄付で支援

■「お金・投資」本 売上2倍 楽天ブックス

■日本株も1株から買える 新米投資家記者の勉強会


週刊大阪日日新聞
最新号
毎月第2・第4土曜発刊
「大阪日日新聞」
電子版
電子版の詳細はこちら
アップルストア グーグルプレイ
日日チャンネル【Gotoキャンペーン編】/「宿泊」「ステーキ食べ放題」「お酒飲み放題」で、なんと! 2,500円 だった
pagetop