週刊大阪日日新聞

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2020/12/26

総合区って何? 「都構想」の否決後浮上


▲行政区の権限を拡大する「総合区」制度の議論が再燃する=大阪市役所

 政令指定都市の大阪市を廃止し、四つの特別区に分割、再編する「大阪都構想」の制度案が、住民投票で否決されてから2カ月。市役所内では早くも、24行政区の権限を格上げする「総合区」制度を導入する案が浮上している。「(行政が身近になる)ニア・イズ・ベターは間違いない」「コロナ対策を優先すべきだ」などと賛否が飛び交い、延長戦≠ェ続いている。そもそも「総合区」案とは何なのか。2月定例市議会で論争が繰り広げられることになりそうだ。

議論は2月定例市議会

賛否飛び交い延長戦 8区に再編案

 「地域のニーズに応え、スピード感をもって物事を動かせる。今より格段に良くなる」―。否決から10日後の11月11日。都構想を進めてきた大阪維新の会代表(当時)の松井一郎大阪市長が定例記者会見で語気を強めた。「8区」に合区、再編するための関連議案を来年の2月議会に提案する意向だ。

■導入可否は議会判断

 総合区制度は、2016年施行の改正地方自治法により、政令市が新たに導入できると定めた都市内分権制度。市の廃止が前提だった特別区と異なり、総合区は市を存続した上で区の権限を強化する。当然、区長の権限は強化される。導入するには住民投票は不要で、議会の議決で導入の可否を決めることができる。

 これまで、公明党の提案で各区の人口規模や担う事務の範囲などの協議を進め、都構想の法定協でも特別区制度と併行して議論してきた。

 維新候補が大勝した19年の知事、市長ダブル選挙の結果を受け、公明党が案を取り下げ、特別区支持に回った経緯がある。

 同案では、35年の将来推計で1区当たり人口30万人程度とし、鉄道網や商業集積、歴史的経緯などを考慮した8区に再編。区長は市議会の同意を得て市長が選任する特別職となる。予算の提案権はないものの、市長への「意見具申権」や区役所職員の任免権が備わる。

 これまで市が担ってきた事務や権限のうち、民間保育所の設置認可や就労支援、市有地の活用方針の検討など一般市並みの事務を引き継ぐ。制度上、市域の一部のみを総合区に格上げすることができるが、素案では検討されていない。

■事務分散に課題

 総合区では、子育て支援や老人福祉センターの管理運営など「地域の声を反映しやすい」と効果が期待される一方、事務が分散することによるコスト増が見込まれ、専門職員や業務ノウハウの確保が必要になるという課題も含んでいる。

 都構想否決後、議会内ではさまざまな意見があり、公明党府本部の土岐恭生幹事長(大阪市議)は「首長からの提案があれば、議論は拒まない。改革は進める必要がある」とし、自民党も含めた幅広い合意形成も念頭に置く。

 自民党大阪市議団の北野妙子幹事長は「8区案はいったん廃案になった条例案。まっさらな状態で話を進める。区数を含めてこれからの議論だ」と強調し、合区を前提としていない。


▲大都市制度の議論は続く

 共産党府委員会は「合区ありき、という点で住民の意思や議論はそっちのけ。上から押し付ける点でも地方自治の拡充とかけ離れている」との立場だ。

 実現に向けた議論はまだまだこれからだが、市民に都市制度の改革意識をもたらした都構想だけに新たな制度案の行方が注目される。

一元化条例案
行政の効率化狙い提案方針

 住民自治の拡充とともに「大阪都構想」のもう一つの肝が、二重行政解消による行政の効率化だ。府と市では来年、両議会の2月定例会に広域機能の一元化に関する条例案を提出する方針だ。

 都構想の制度案は、住民投票で否決されたものの賛否の差は1・2667万人が賛成票を投じた。このことなどから、松井一郎市長は「府市一体の取り組みが評価されている。民意は明らかだ」との主張を繰り返す。

 市が担う事務のうち、都構想の制度案では、水道や消防など約430の事務を府へ移管するとしていた。このうちの一部を府へ一元化する条例案が提案される見込み。一元化を巡っては、既に港湾や産業支援、研究所などは機能統合されており、さらに財源と権限をセットで移譲する。「府市が二度とばらばらにならない仕組み作り」(松井市長)を進める意向を示している。

 一方、全国20の政令市でつくる指定都市市長会では、地方が行う事務を政令市が一元的に行う「特別自治市」の議論も浮上している。行政の効率化という部分では共通するが、事務を府へ移管する大阪市とは真逆の考え方になる。

 人口370万人の横浜市が旗振り役で、自民党大阪府連でも検討している。ただ、東京都心からの通勤圏であることから、松井市長は「横浜市とは事情が違う」と冷ややかだ。

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