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2020/3/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

ネット通販「戦国時代」の勝者は?

有名店はモール型出店から退店する動きも


▲楽天のホームぺージにアクセスする利用者

 コロナウイルス禍で外出を控える空気が広まる中、巣ごもり消費のネット通販が大盛況。そんな中、楽天市場が今月18日から予定していた「税込み3980円以上購入で、送料無料化」を二転三転の末、事実上延期した。後発のAmazon(アマゾン)に首位を奪われたことへの対抗策だったが、公取委の独禁法違反での立ち入り調査で強行が困難になったのも背景にある。その間に3位のYahoo!(ヤフー)ショッピングもzozo(ゾゾ)を買収してpaypay(ペイペイ)とヒモ付けし巻き返しを図っている。読者のみなさんは、消費者側だけでなく出品者側の人も多いはず。このネット通販戦国時代≠「どこがお得?」も踏まえて読み解いてみよう。

 まずはネット通販の利用者について。月間ベースで見ると、首位のAmazonが4964万人、次いで楽天が4678万人、Yahoo!は2748万人。重複もあるけれど日本人の約半分以上が関わる巨大市場だ。

 これらはモール型と呼ばれるサイトの最大のメリットはブランド力。集客力があるからたくさんの商品が集まるし、ニセモノや粗悪品などの心配も少ない。さらにポイント付与や送料無料などのサービスがあるよ。3社の最大の違いは、楽天とYahoo!は出店≠ノよる場所貸し中心、Amazonは出品≠ナ直販中心である点。

 今回、楽天の無料化宣言で取りざたされた購入時送料課金は、ネットでも昔の電話でも通販業界では避けては通れないハードルなんだ。今でも消費者の「ネット通販を利用しない理由」のトップ(約35%)が送料負担への抵抗感。以前このコーナーでも書いたけれど、大手宅配業者は通販の配送数が急増していてパンク状態。人員不足でもあるし値下げに応じられる状況ではないんだ。Amazonはいち早く全国十数カ所に倉庫拠点を整備し、自主配送にシフト。「プレミアム会員ならずっと送料無料」はこうした企業努力が背景にあるよ。

 楽天はショッピングセンター方式で、ネット上の店を開くだけで、商品の販売と発送は各店に任せてきた。楽天カードを入手する手軽さや楽天ポイントの広がりなど使い勝手の良さでネット通販をリード。でも、出店者の体力に差があるから、送料を無料化できる店とできない店が出ている。楽天の三木谷社長は、小規模店経営者の激しい反発に「物流システムに2千億円を投入。配送料で赤字の出た分は補填(ほてん)する」と取りなしたけれど、結局は一律無料化強行を見送らざるを得なくなった。楽天のモール型の強みが裏目に出た格好で、今後は楽天モバイルによる携帯事業参入などでの多角化やAmazonが弱いとされる生鮮食料品部門の強化で、楽天カード所有者へのアプローチを強めて巻き返しを図る。

 Amazonはまず本の宅配から日本市場に参入。直販なので異種同梱が可能な上、発送も素早い。カードポイント自体は弱いけれど、年間プラン4900円でプライム会員になれば送料無料だけでなく、映画や電子ブック、音楽までダウンロードできるメリットがある。

 Yahoo!はニュースなどの広告料収入があり、ネット通販の部門は2社に比べて出遅れていたけれど、バックにいるのはあの孫正義氏。広く利用されているTポイントとのヒモ付けもあり、スマホ決済ではPeyPeyの躍進で他社をリードし対抗している。

 ネット通販はまだ15年くらいしかたっていない若い事業。個性的な商品を扱い、ニーズが全国に薄く広くあれば通常の店舗営業より有利。でも、個人情報管理や商品代金受け取り決済の確認などネット上の事務作業がわずらわしかったため、プラットフォーマーと呼ばれるこの3社の寡占状態だった。しかし各社への公取委からのチェックも次第に厳しくなり、業界は多様化に向かいつつあるよ。

 かつては「個店ではネット参入はハードルが高い」と言われたけれど、最近はネットサーバーを自前で持たなくても代金受け取りシステムをネット上で借りるだけで安く始められるように。店側にとっては、自社独自のブランド性を全面に打ち出したネット画面を作れたり、出店料や出品料が不要、というメリットがあるけれど、モール型店のような大きなテレビCMや分かりやすいネット窓口はない。よほど他社と差別化した商品や自社のブランドに自信がないと「客に見つけてもらえない」という大きなリスクがある。半面、有名店などは「この際、モール型出店を退店して自社個店だけに統一」という動きが徐々に出ているよ。

 高齢者を中心に「ネットは商品が届くまで安心できない」と、代引きやコンビニ支払いが根強く残っていたが、先の消費税10%引き上げの際に政府が「電子決済でキャッシュバック」が前面に打ち出された事で、今やネット通販の7割超がカード払いに移行した。

 キャッシュレス時代にはネット通販は欠かせないご時世だが、賢い消費者になるために送料を含めた価格比較はぜひ必要。家電製品などメーカーや型番がはっきりしているものは、モール型の信用力より価格比較サイトで最安値店を確認するのが既に常態化している。Google(グーグル)やYahoo!の検索サイトでしっかり商品内容と価格・送料などを比較検討してから、購入支払いするクセをもう一度確認しよう。

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